February 2, 2017

レポート『ロッテルダム国際映画祭』

1月29日、11時間超のフライトを終え、庭月野監督はロッテルダム国際映画祭(以下IFFR)での『仁光の受難』ヨーロッピアンプレミア上映のため、オランダ・アムステルダムのスキポール空港に到着しました。 IFFRは、ヨーロッパの映画祭の中でもインディペンデント映画やアジア映画を多く紹介するのが特徴だそうです。
エンジェル(IFFRでゲストをアテンドするスタッフの呼称)のフランチェスカさんに案内され、シャトルバスでロッテルダムへ向かいます。 日もすっかり暮れて、ホテルの目の前の劇場では、IFFRのロゴである虎マークが映し出されていました。夜はパーティに少し顔を出してビール(映画祭仕様のヴァルシュタイナー!)など飲みましたが、フライトの疲れもあってすぐに就寝。 翌日は上映日でしたが、上映時間は21時45分と遅め。チケットはすでにソールドアウトだったので(監督もソールドアウト慣れしてきた様子)心置きなく観光を楽しみます。
ロッテルダムは、かつては世界最大(今でもヨーロッパ最大)の貿易都市で、第二次世界大戦で街が破壊されたため、ほとんどの建築物が新しいです。そのため、独創的で面白い建物もたくさん。 マルクトホールという巨大市場で食べ歩きをしたり、キューブハウス(世界遺産)を見学したり、有意義な時間を過ごしました。
夜の上映前に、アジアンフィルムメーカーのためのパーティが開かれていたので出席。監督はすぐ顔が赤くなるのにお酒を飲んでしまいましたが、東京フィルメックスで審査委員長を務めた(IFFRのプログラマーでもある)トニー・レインズさんと再会したり、『淵に立つ』の深田晃司監督とお会いしたり、楽しい時間を過ごしたようです。

いよいよ上映時間、「パテ」というシネコンに向かいます。ここでも虎のマークのライトアップ。監督の上映前の英語挨拶もだいぶ定型文として固まってきた様子で、スラスラと言えるようになっておりました。(お酒のせいで若干テンションも高い) ヨーロピアンプレミアのお祝いとして虎のマークのチョコレートを頂いてご機嫌の監督。 上映後は大きな拍手を頂き、Q&Aも盛況でした。「実際にこういう昔話があるのか」とか「なぜ時代劇にボレロ(西洋音楽)を?」などはどの国でも聞かれますが、意外と「ロケ地はどこなのか」という質問もどの映画祭でも聞かれます。『仁光の受難』は東京・神奈川・千葉・埼玉・栃木・山形と様々な場所で撮影しているうえに、TOKYO以外の地名は海外の人にはメジャーじゃないと思うので、監督も回答に困るようです。

翌日、1月31日は夕方から2回目の上映。エンジェルは日本オタクのジェルマに代わり、日本のアニメやゲームの話をしながら楽しく徒歩で劇場で向かいました。(途中で変な建物やカッコイイ建物を見つけては写真をとったり)
LantarenVenster はオシャレミニシアター風な映画館。(でもスクリーンは大きいし座席も多い) 挨拶の後、劇場内のカフェで「チョコメル」を飲みながら時間を潰します。パピコみたいな味でおすすめ。(監督は帰りの空港でも飲んでました) 上映も好評、Q&Aも無事に終わり、『仁光の受難』の海外エージェントである「ASIAN SHADOWS」がヨーロピアンプレミアのお祝いをしてくれました。しかし、フランス人とイタリア人を前にして「ワイン飲めない」と言ってしまった監督は大ブーイングを浴びることになります。お祝いなのに(笑)
翌日は取材を受けたり、パーティで映画祭スタッフとたくさんお話したりしました。IFFRは日本語を話せる人がとても多いです。プログラマーのジュリアンさんはハーフの日本人ですし、日本語を話せる西洋人スタッフも、日本人スタッフもいます。バンクーバーと同様に「海外映画祭初心者向き」の映画祭なのかもしれません。あるテーブルでは「半分以上西洋人なのに会話は全て日本語」という奇妙な光景も見られました。監督も、オランダ人女性に「分別(ふんべつ)ってどういう意味ですか?」と日本語で聞かれ、「良いことと悪いことを区別できるというか、例えば同じ字で分別(ぶんべつ)とも読みますが……」と苦労して説明していました(笑)
良い思い出もでき、残り2回の上映も完売であることに安心しつつ、もう半分平らげてしまったチョコタイガーを持って帰国。『仁光の受難』は、次はどこの国に行くのでしょうか?